金沢市寺町山錦楼のしつらえ

 築後100年を経過する由緒ある金沢の料亭山錦楼を訪ねました。外部から見ると犀川縁に建っている巨大な木造建築は4階建てで、威風を放っています。室内は金沢の伝統色である群青、茜色、聚楽の三色を巧みに配した趣きのある大正建築です。金沢市伝統的保存建築物に指定されています。
 4階の広間の床の間は聚楽壁で天井は杉板貼りになっています。床の間横の壁には風流な円形の透かし窓をしつらえてあります。










 まだ、9月とはいえ暑いので簾屏風がおいてあります。
照明器具も独特な細工が施された木工品です。
 木製建具の鍵は木のかんぬきがついていました。
縁側の端にある窓には赤と緑の色ガラスがはいっており、モダンな印象を演出しています。

 隣の8帖の和室は茜色の左官が施してあり、華やいだ雰囲気を楽しめます。

書院の上には鈴虫を模したオブジェを配した虫かごが何気なく置いてあります。
 障子戸も手の込んだ細工を施した建具を使っています。
 欄間やふすまは時代を感じさせる、造形力を感じられる逸品です。
 窓ガラスは今は手に入らない、大正硝子です。
照明器具は大正ロマン漂う白のすりガラス製です。
手すりの下の欄間にも細かい細工が施されています。
 天井はすべて杉板を使用しており、木目が古味を帯びて良い感じになっています。
 こちらは珍しい象牙の欄間です。
 玄関ロビーの光窓には煤竹の飾りがついていました。
 玄関土間の壁は群青が塗られています。
ひょうたん型の小窓が粋です。
 玄関の床の間。群青は特別な色で、前田家の家老が接客の座敷用に良く使った色だそうです。











こちらは1階の便所に続く廊下。タイル貼りの床が大正ロマンを色濃く残しています。

コメント

人気の投稿